≫NOVEL

爆睡


突然だが。
識のゲーセンには休憩スペースというものが設けられている。
イス・テーブルは勿論、近くには飲料やアイスの自販機、コミュニケーションノートも置かれている。
よくいつものメンバーがたむろっている場所だ。
特にそこのソファはかなりすわり心地がいいと評判で争奪戦になる事もしばしばなのだが。
「あ、エリカエリカ!空いてるよ!!ラッキーv」
セリエリコンビは前から虎視眈々とソファを狙っていたのだ。
今日は幸運な事に空きがあった。
しかし貸切というわけではなかった。
先客がいたのだ。

「あ…セリカさん…エリカさん」
座っていたのはツガル。
しかも困った様子で2人に助けを求めている。
「え?どうし…あぁー…」
遠くからは死角になって見えなかったが、ツガルの隣には新顔のシアの姿があった。
「すー…」
「シアちゃん…可愛いねー」
肩に寄りかかって寝られてしまったので身動きが出来なくて困っていたようだ。
「あ、あの…ソファに座ってたら…」
「判る判る、ココ最高に座り心地いいから…私も寝ちゃうかも」
休憩所なのだから座りのいいものを選んだ、とこだわる識。
流石は気配りの人である。
「そぉ〜っと立ち上がってみたら?」
と、エリカが提案したので言われたとおりにツガルは実行する物の…
「んー…」
ぎゅう
服の裾を掴まれて無理だった。
「……」
「ははは…愛されてるねーツガルちゃん」
苦笑するセリカはエリカに抱きついた。
「ちょいとセリカサン?どさくさに紛れて何をしてるんデスか?」
「だって私もエリカとラブラブしたいんだも〜んvV」
近い近い顔が近くて息が耳に掛かるんですけど。
「しょーがないなぁ」
「やったvエリカ大好き!!」
あーもーこの人たちは。
セリエリコンビはツガルの左隣に仲良く座っていちゃいちゃしだした。
ツガルはそのやり取りを赤面しつつも眺めていた。

彩葉とリリスの白黒コンビもやってきて、ワイワイとしていたが…
数十分後には6人とも爆睡していた。
「もう一人くらい座れないのか…」
「アナタもしかしてこの子たちと一緒に寝たかったの?」
実はソファの定員は6人までだった。
「そんな訳ないだろ…」
「ふーん…」
だいぶ遅れて来店した茶倉は休憩スペースで爆睡する6人を見て少し羨ましいと思ったのをナイアに見抜かれ、あたふた真っ最中だった。
「私が一緒に寝てあげてもいいけど?」
「なッ!?…誰がお前と!!!」
更にあたふた。
「嘘よ…何を期待したのかしらね〜♪」
「〜〜〜〜〜ッ!!」
ゲーセンは今日も平和だった。

Fin

あとがき
ついに公式設定を待たずしてシアツガ系SSをアップしてしまいました。
寺の百合カプ要素を全部ぶち込み。
その割には白黒コンビの扱いがあんまりだ。

 

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