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香水


香水とは本来、ヨーロッパの人々が自分の体臭を消す為に使っていた物。

マーキングとは動物が行う、「コレは自分の物だ」と主張する為の匂い付け。


歌姫・シアは日本見学中。
今日は原宿あたりをウロウロしていると見事に迷子になってしまった。
路頭に迷うシアを道行く人は見て見ぬフリ。
上京したての人々は口を揃えてこう言うらしい。
『母さん…都会の風は冷たいです(涙)』
もうかれこれ数十分が経とうとしていた時、背の高い一人の…トゲの男が現れた。
「どうかしましたかな、お嬢さん?」
(不本意ながら)迷子になった旨を伝えると、その男はとあるショップへとシアをつれて来た。
何だか、服やアクセサリー以外にも色々と変な物が置いてある店だ。
トゲの男はセムと名乗った。
この店『ROOTS 26』のオーナーらしい。

「だって…人が沢山…」
「それもそうだが…初めてなのに一人で日本見学と言うのは関心出来ないな」
ひたすら自分は悪くないと言い張るシアの頭をセムはぽんぽん、と撫でて微笑んだ。


…と、いう出来事があって以来、シアは足しげくROOTS 26に通っている。
もちろん、お目当てはセム。
「あれ、セムさんは…?」
「奥で休んでるわ」
答えたのは、いつもよりも黒いオーラを発している看板娘リリス。
最近、リリスはシアにヤキモチを焼いている。
シアは自分がいない時を見計らって店に来ているような気がしてならない(単なる偶然なのだが)
この間だって、シアはセムにぬいぐるみを作ってもらったと聞く。

許せない。

そんな気持ちが積もり積もったある日。

「はい、兄さん。コレ…」
「ん、コレは…香水だな。どうしたんだ?急に」
ちなみにサルヴァトーレ フェ○ガモの『サブティール プール オム』という香水である。
スパイシーで爽やかで、都会的なスーツをさらっと着こなす頼りになる優しい男性的な香り。
しかし、いかにも男くさい感じもなく、ミドルからほのかな甘さがある為、女性がつけてても問題ない代物。
「…という事は…リリスも付けるのか?」
「当たり前…でしょ、兄さん」

その日の午後…。
「あれ、セムさんからいい匂いがしますーv」
「や、やあ、いらっしゃいシア君」
いきなりシャツの裾を掴まれてビックリするセム。
と、同時に何だか空気が重くなった気が……!!
「…それは私が兄さんにプレゼントした香水の匂いよ…」
いきなりリリスが現れて二度ビックリ。
しかもシアはリリスからセムと同じ匂いを感じ取ったらしく更に空気は重くなる。、


まさに板ばさみ状態。
パチパチ火花、IN THE ROOTS 26 (from SPARK!)

マーキング(香水)によって、相手にコレ(笑)は自分の物だと主張する。
あなたも彼氏を誰かに取られたくない場合は、是非、この方法を試してみよう。

END


あとがき
試さないで下さい。
やまねこ様に勝手に捧げます!!!!
っていうか、台詞まんま使っちゃってスミマセン!!!


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